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小児・こどもの歯

小児矯正の開始時期と治療法の選び方

小児・こどもの歯 小児矯正の開始時期と治療法の選び方 みんなの歯科navi

学校の歯科検診で「かみ合わせに注意」と書かれた紙をもらった、写真を見て子どもの歯並びが気になった、周りの子が矯正を始めたと聞いた――小児矯正を考えるきっかけはさまざまですが、いざ調べ始めると「何歳から始めるべきか」「装置の種類が多すぎて分からない」「費用がいくらかかるのか」で立ち止まってしまいます。

小児矯正が大人の矯正と決定的に違うのは、顎の成長を利用できる点です。骨がまだやわらかく、成長の力を借りて土台そのものを整えられるため、大人になってからでは難しい改善が可能になります。ただし、成長期にしかできないぶんタイミングを逃すと選択肢が狭まるという側面もあります。この記事では、開始時期の考え方、1期・2期という治療の分け方、装置の種類と選び方、費用、そして治療中のケアまでを整理します。

この記事の要点
  • 小児矯正は「1期治療(成長を使って土台を整える)」と「2期治療(歯を並べる)」に分かれる
  • 1期の開始は6〜9歳ごろが目安。ただし受け口など早めの対応が望ましいケースもある
  • 全員が早期に始めるべきとは限らない。経過観察という判断もある
  • 装置は「固定式」と「取り外し式」に大別。生活への影響が大きく違う

小児矯正は2段階に分かれる

まず押さえておきたいのが、小児矯正には1期治療と2期治療という区分があることです。この違いを知らないまま相談に行くと、説明が理解しにくくなります。

項目1期治療2期治療
時期乳歯と永久歯が混在する時期(おおむね6〜12歳)永久歯が生えそろってから(12歳ごろ〜)
目的顎の成長を誘導し、歯が並ぶ土台をつくる1本ずつの歯の位置を整える
主な装置拡大装置、床装置、機能的装置などワイヤー矯正、マウスピース矯正
期間の目安1〜2年+経過観察1.5〜3年
費用の目安20〜50万円程度30〜80万円程度
1期治療と2期治療の違い(費用は自由診療のため医院により異なります)

重要なのは、1期治療を受けたからといって2期治療が不要になるとは限らないことです。土台が整うことで2期が簡単になったり、抜歯を避けられたりする可能性はありますが、「1期だけで終わる」と約束できるものではありません。総額の見通しを聞くときは、2期に移行した場合の費用も含めて確認してください。

いつ始めるのがよいか

「何歳から」という問いに一律の答えはありません。症状によって適切な時期が違うからです。目安を整理します。

図解 症状別・相談と開始の目安時期 症状別の開始時期の目安 3歳6歳9歳12歳15歳18歳 受け口(反対咬合) 出っ歯(上顎前突) がたつき(叢生) 2期治療 3〜9歳ごろ 8〜12歳ごろ 6〜12歳ごろ
受け口は早めの対応が検討されることが多く、出っ歯やがたつきは永久歯の生えかわりを見ながら判断します。あくまで一般的な目安です。
  • 受け口(反対咬合)……下顎が前に出る状態は、成長とともに強まることがあるため早めに相談するケースが多くなります
  • 出っ歯(上顎前突)……上顎の成長が活発な時期に合わせるため、8歳前後から検討されることが多くなります
  • 歯が並ぶスペースが足りない(叢生)……永久歯の生えかわりを見ながら、拡大や保隙を検討します
  • 指しゃぶり・口呼吸・舌の癖……歯並びに影響するため、装置の前に習癖への対応が優先されることもあります

ただし、「早ければ早いほどよい」わけではありません。まだ変化の途中で判断すると、必要のない治療を長く続けることになりかねません。相談だけ早めに行い、開始時期は歯科医師と一緒に見極めるのが現実的です。開始年齢の考え方は小児矯正の適切な開始年齢は?歯科医が教える目安、6歳からの早期治療の是非は6歳から始める小児矯正|早期治療のメリットとデメリットで詳しく解説しています。

相談したほうがよいサイン

  • 下の前歯が上の前歯より前に出ている
  • 前歯が閉じず、口が開いたままになる
  • 永久歯が生えるスペースがなく、重なって生えている
  • 乳歯が抜けたのに、永久歯がなかなか生えてこない
  • 左右で噛み合わせがずれている、顎が横にずれる
  • いつも口が開いている、いびきをかく
  • 発音が気になる(サ行・タ行など)

歯並びと発音の関係は子どもの歯並びと発音の関係、口呼吸の影響は子どもの口呼吸は歯並びに影響する?改善法まとめ、指しゃぶりについては指しゃぶりが歯並びに与える影響とやめさせ方をご覧ください。いびきが気になる場合は子どものいびきは要注意?原因と歯科での治療法もあわせてご確認ください。

装置の種類と選び方

装置は大きく「固定式(自分では外せない)」と「取り外し式」に分かれます。それぞれ得意なことと生活への影響が違います。

種類特徴メリット注意点
拡大装置(固定式)上顎の幅を広げてスペースをつくる本人の意思に左右されず確実に働く清掃が難しい。最初は違和感や発音への影響
床装置(取り外し式)プレートとネジで少しずつ拡大する自分で外せるので清掃しやすい装着時間を守れないと効果が出ない
機能的装置(取り外し式)顎の位置や筋肉の働きに作用する成長を利用できる就寝時中心。慣れるまで時間がかかる
部分的なワイヤー前歯など一部を先に整える気になる部分に早く対応できる清掃が難しく、虫歯リスクが上がる
マウスピース型透明な装置を段階的に交換する目立ちにくく取り外せる適応が限られ、装着時間の管理が必須
小児矯正で使われる主な装置

選ぶときの分かれ目は、本人が装置の管理をできるかです。取り外し式は生活の自由度が高い一方、決められた時間つけられなければ効果が出ません。学校生活や部活動との兼ね合いも含めて、家庭の状況に合うものを選ぶことが大切です。床矯正については小学生の床矯正とは?治療の流れと効果をわかりやすく解説、装置の種類は永久歯が生える前にできる小児矯正の種類と特徴で解説しています。

費用と期間

矯正は原則として自由診療です。医院によって料金体系(総額制・処置ごとの支払い)が異なるため、比較するときは必ず総額で確認してください。

項目費用の目安
相談料無料〜5,000円程度
精密検査・診断料3〜6万円程度
1期治療20〜50万円程度
2期治療30〜80万円程度
調整料(毎回)3,000〜7,000円程度
保定装置(リテーナー)1〜6万円程度
小児矯正の費用の目安(自由診療のため医院により異なります)

なお、顎変形症や国が定める先天疾患に該当する場合は保険が適用されます。該当するかどうかは診断によります。また、矯正は治療目的であれば医療費控除の対象になります。詳しくは子どもの矯正にかかる費用はいくら?保険適用の有無を確認、歯医者に行く前に知っておきたい医療費控除の仕組みをご覧ください。治療期間の目安は子どもの矯正治療期間はどのくらい?学年ごとの目安で解説しています。

治療中に気をつけること

矯正期間中でもっとも注意したいのが虫歯です。装置の周りは汚れがたまりやすく、治療の途中で虫歯ができると矯正を中断せざるを得ないこともあります。

場面気をつけること
食事硬いもの・粘着性のあるもの(キャラメル、ガム、氷)は装置が壊れる原因になる
歯みがき装置の周りは毛先の細いブラシを併用する。フッ素入り歯みがき剤を使う
痛み調整の後1〜3日は痛みが出やすい。やわらかい食事に切り替える
装着時間取り外し式は決められた時間を守る。守れないと期間が延びる
通院月1回程度の調整。間隔が空くと計画どおりに進まない
矯正中の注意点

矯正中の虫歯予防については歯並びが悪い人の虫歯リスクとケア方法|矯正中の注意点も解説、失敗を避けるための注意点は小児矯正の失敗例から学ぶ!親が知っておきたい注意点をご覧ください。

医院選びで確認したいこと

  • 検査結果(レントゲン・模型・写真)を見せながら説明してくれるか
  • 治療しない場合にどうなるかも説明してくれるか
  • 1期で終わる可能性と、2期に移行した場合の費用を示してくれるか
  • 装置を選んだ理由を説明してくれるか
  • 通院の頻度と、期間の見込みが具体的か
  • 本人が装置を受け入れられそうか(見た目・違和感)

説明に納得できない場合や、複数の医院で方針が違う場合は、小児歯科で行うセカンドオピニオンの活用法も検討してください。医院の選び方は中学生矯正で失敗しないためのクリニック選びも参考になります。

まとめ

小児矯正は、顎の成長を利用して土台を整える1期治療と、歯を並べる2期治療に分かれます。開始時期は症状によって異なり、受け口は早め、その他は永久歯の生えかわりを見ながら判断するのが一般的です。

大切なのは、早く始めることではなく、適切な時期を逃さないことです。そのためには、気になった段階で相談だけでもしておき、経過を見てもらう体制をつくっておくのが確実です。子どもの歯並びが気になる原因は子どもの歯並びが悪くなる原因と早期対策もご覧ください。相談先はエリアから歯科医院を探すから探せます。

よくある質問

Q
小児矯正は何歳から始めるのがよいですか?
A

症状によって異なります。1期治療は6〜9歳ごろが一つの目安ですが、受け口はより早い時期に相談されることが多く、逆に永久歯の生えかわりを待って判断する場合もあります。「早ければよい」わけではないため、まず相談して経過を見てもらうのが現実的です。

Q
1期治療を受ければ2期治療は不要になりますか?
A

不要になるとは限りません。1期で土台が整うことで2期が短くなったり、抜歯を避けられたりする可能性はありますが、永久歯が生えそろってから微調整が必要になるケースは多くあります。総額を比較するときは、2期に進んだ場合の費用も含めて確認してください。

Q
痛みはどのくらいありますか?
A

装置をつけた直後や調整の後の1〜3日は、締めつけられるような痛みや噛みにくさが出ることがあります。多くは数日で慣れます。やわらかい食事に切り替えると楽になります。痛みが強く続く場合や、装置が当たって傷ができる場合は調整してもらってください。

Q
保険は使えますか?
A

原則として自由診療ですが、顎変形症や国が定める先天性疾患に該当する場合は保険が適用されます。該当するかは診断によりますので、心当たりがある場合は相談時に確認してください。自由診療の場合も、治療目的であれば医療費控除の対象になります。

Q
子どもが装置を嫌がります。どうすればよいですか?
A

取り外し式は本人の協力が前提なので、嫌がったまま続けても効果が出ません。装置の種類を変える、開始時期をずらすといった選択肢を相談してください。本人が納得していないまま進めると、治療そのものへの拒否感が強まることがあります。

Q
矯正しないとどうなりますか?
A

状態によります。自然に改善することもあれば、噛み合わせのずれや清掃のしにくさが残ることもあります。大人になってからでも矯正はできますが、顎の成長を使えないぶん選択肢が変わります。「治療しない場合どうなるか」も説明してもらったうえで判断してください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療方針を示すものではありません。時期・費用・期間は目安であり、実際には症例や医院によって異なります。気になる症状がある場合は、必ず歯科医院で相談・受診してください。

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