子どもの矯正治療期間はどのくらい？学年ごとの目安

「子どもの矯正ってどれくらいの期間がかかるの？」「学年によって始めるタイミングや期間の長さは変わるの？」と悩む親御さんは少なくありません。

矯正治療は子どもの年齢や顎の成長段階、歯並びの状態によって必要な期間が大きく変わります。さらに、装置の種類や治療の目的によっても治療年数は前後するため、一概に「何年」と断定できないのが実際です。

本記事では、小児矯正の治療期間を学年ごとに解説し、平均的な目安、期間を左右する要因、治療を始める前に知っておくべきポイントを詳しくまとめます。

子どもの矯正治療期間の平均はどれくらい？

小児矯正の治療期間は、平均して1〜3年程度かかることが多いとされています。ただし、これはあくまで目安であり、子どもの歯並びの状態や装置の種類によって変動します。

一期治療（顎の成長を利用する矯正）は比較的短期間で済むこともありますが、二期治療（永久歯を整える仕上げの矯正）ではさらに数年かかるケースも少なくありません。

また、子どもの協力度によっても期間は大きく左右されます。取り外し式の装置をきちんと使用できるかどうか、生活習慣が改善されるかどうかも治療の進み具合に直結します。そのため、治療期間は「装置」「成長」「協力度」の3つの要素に影響を受けるといえるでしょう。

低学年（小学校1〜3年生）の治療期間の目安

低学年は乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期」の始まりであり、矯正治療を始める上で重要なタイミングです。この時期に行う治療は、歯並びを完成させるというよりも、永久歯が正しく生えるための土台づくりを目的としています。

代表的な装置には「拡大床」や「リンガルアーチ」があり、顎を広げたり歯列を整える準備をします。

この時期の治療期間は1〜2年程度が一般的です。顎の成長を利用できるため短期間で効果が出やすい反面、子どもの協力度が低いと効果が得られにくい点に注意が必要です。

特に取り外し式装置を使用する場合、親のサポートが不可欠となります。

中学年（小学校4〜6年生）の治療期間の目安

中学年になると永久歯の本数が増え、歯列全体のバランスが見えてきます。この時期に矯正を行うことで、永久歯がそろう前にスペース不足を解消したり、噛み合わせを整えやすくなります。
また、生活習慣の改善（口呼吸、舌の癖など）も並行して行うことが推奨されます。

この学年での治療期間は1.5〜3年程度が目安です。歯が順次生え変わる時期なので経過観察をしながら治療を続ける必要があります。学校行事や習い事との両立も重要になるため、無理のない計画を立てることが大切です。

高学年（小学校6年生〜中学生）の治療期間の目安

高学年から中学生にかけては、永久歯が生えそろい、顎の成長がピークを迎える時期です。この段階での矯正は「仕上げ治療」としての性格が強く、ワイヤー矯正やマウスピース矯正が導入されることも多いです。
本格的な歯列矯正に移行する準備段階と考えられます。

治療期間は2〜3年程度が一般的ですが、歯の移動量が多い場合や叢生（歯の重なり）が強い場合はそれ以上かかるケースもあります。逆に、早期に基礎矯正を済ませている子どもは短期間で済むこともあります。

治療期間に影響する要因

矯正治療の期間は、単に学年や年齢だけで決まるものではありません。歯並びの状態や叢生の程度、出っ歯や受け口といった症状の重さが大きく影響します。

さらに使用する装置の種類も重要な要因です。固定式は効果が安定しやすい一方、取り外し式は子どもの協力度に依存します。また、生活習慣の改善（口呼吸や舌癖など）が治療の進み具合に直結するため、家庭でのサポートが欠かせません。

これらの複数の要素が重なり合って治療期間は決まるため、「平均〇年」といった数値はあくまで目安と理解しておくことが大切です。

代表的な要因は以下の通りです。

• 歯並びの状態：叢生や出っ歯、受け口の程度が強いほど期間は長くなる。
• 装置の種類：固定式は確実に効果が出やすいが、取り外し式は協力度に依存する。
• 子どもの協力度：装置の装着時間や通院ペースを守れるかどうかが治療の進行に直結。
• 生活習慣：口呼吸や舌の癖などを改善できるかどうかが予後に大きく影響。

これらの要素を総合的に判断し、歯科医が個別に治療計画を立てます。したがって「平均2年」といっても、あくまで参考値に過ぎないことを理解しておく必要があります。

矯正治療をスムーズに進めるための工夫

矯正治療をスムーズに進めるためには、子どもと親の協力体制が欠かせません。装置の装着時間を守ることはもちろん、定期通院を怠らないことも重要です。

また、治療経過を可視化して子ども自身に達成感を持たせる工夫も有効です。カレンダーにシールを貼ったり、アプリで記録するなど、小さな努力を継続する仕組みを取り入れるとモチベーションが維持しやすくなります。

口呼吸や舌癖などの悪習慣を改善するためのトレーニングを取り入れることで、治療効果が高まり予後の安定にもつながります。

例えば以下のような取り組みが効果的です。

• 装置の装着時間を守るよう声かけをする
• 治療経過をカレンダーやアプリで可視化してモチベーションを高める
• 口呼吸や舌の癖を改善するトレーニングを取り入れる
• 定期通院を忘れないようにスケジュール管理を行う

こうした工夫を積み重ねることで治療の遅れを防ぎ、予定よりも短期間で治療を終える可能性が高まります。

治療期間と費用の関係

矯正治療は期間が長くなるほど費用も増える傾向があります。特に小児矯正は自由診療で行われることが多いため、調整料や通院費用が積み重なりやすい点に注意が必要です。

一般的に拡大床は20〜40万円、リンガルアーチは15〜30万円、マウスピース矯正は30〜60万円、ワイヤー矯正は60〜100万円程度が目安とされます。治療期間が長引くほどこれらに加え、毎回の調整料なども総額に影響します。

そのため、契約前にトータル費用を確認することが不可欠です。期間と費用のバランスを見極め、家族のライフプランに合った治療を選ぶことが大切です。

矯正を始める前に「トータルでいくらかかるのか」を確認し、治療期間と費用のバランスを考えることが大切です。

まとめ

子どもの矯正治療期間は平均1〜3年程度であり、学年や歯並びの状態、装置の種類によって前後します。低学年では基礎的な治療が中心で短期間に済むことが多く、中学年から高学年にかけては本格的な治療に移行し、期間も長くなる傾向があります。

治療の成功には、子どもの協力度と親のサポートが不可欠です。スムーズに進めるための工夫を取り入れながら、成長に合わせて適切なタイミングで治療を始めることが将来の健康な歯並びにつながります。
迷った際には、まず歯科医院で相談し、学年や発育に合わせた最適な治療プランを提案してもらうことをおすすめします。