「矯正をしたいけれど、目立つのは嫌だな」「学校や友達に気づかれずに歯並びを治したい」――そんな思いを持つ10代の方に人気が高まっているのが「裏側矯正(リンガル矯正)」です。
裏側矯正は歯の裏側に装置をつけるため、見えにくく審美性に優れており、思春期の学生にとって心理的な負担を減らす治療法として注目されています。
本記事では、裏側矯正の特徴やメリット・デメリット、10代に選ばれている理由、治療期間や費用の目安、学校生活や部活への影響まで詳しく解説します。
裏側矯正とは?
裏側矯正とは、歯の裏側(舌側)にブラケットを装着し、ワイヤーで歯を動かしていく矯正方法です。一般的な「表側矯正」とは異なり、外からはほとんど装置が見えないのが最大の特徴です。
歴史的には成人に多く利用されてきましたが、近年では「見えにくさ」を重視する10代にも人気が広がっています。特に、思春期の時期に人目を気にする学生にとって、大きな心理的メリットがあります。
10代に裏側矯正が人気の理由
10代に裏側矯正が選ばれている背景には、心理的な要因と社会的な要因があります。学校や友人関係において見た目が大きな影響を与えるため、目立たない矯正は安心感を与えます。
また、SNSや写真撮影が日常化している現代の10代にとって、口元の印象は特に重要です。裏側矯正は装置がほとんど見えないため、友達と自然に過ごせる点が高く評価されています。
心理的な安心感
「矯正装置が見えるのが恥ずかしい」という悩みを持つ10代にとって、裏側矯正は強い味方です。外から装置が見えないことで、周囲に気づかれずに治療を進められるという安心感があります。
学校生活や友人関係への配慮
10代はクラスメートや部活動など人間関係が大きな関心事です。裏側矯正なら装置を理由にからかわれる心配が少なく、自然に会話や笑顔を楽しむことができます。
裏側矯正のメリット
裏側矯正の最大のメリットは「装置が見えにくい」という点ですが、それだけではありません。歯の裏側に装置を装着することで、唾液による自然な自浄作用が働き、虫歯リスクが軽減される効果も期待できます。
さらに、舌が常に装置に触れることで、無意識に舌を正しい位置に置く習慣が身につく場合があります。これは「舌癖改善」と呼ばれ、発音や噛み合わせの改善にもつながるメリットです。
- 審美性が高い:外から装置が見えないため、人目を気にせず過ごせる
- 虫歯予防につながる:歯の裏側は唾液で常に洗浄されやすく、虫歯リスクが下がる
- 舌癖改善に効果的:舌が装置に触れることで、正しい舌の位置習慣を身につけやすい
見た目だけでなく、機能的な効果も期待できるのが裏側矯正の魅力です。
裏側矯正のデメリット・注意点
裏側矯正にはメリットがある一方で、注意点も存在します。最も多いのは「発音のしづらさ」で、特に装置装着後の数週間は「サ行」や「タ行」に違和感を覚える人が多いです。
また、舌側に金属があるため、舌が擦れて痛みを感じたり、慣れるまで強い違和感が続くこともあります。これらは徐々に慣れていくケースが多いですが、初期にはストレスになることがあります。
さらに、費用面でも表側矯正に比べて高額になりやすく、専門性の高い治療であるため対応できる医院が限られる点にも注意が必要です。
- 発音が難しくなる:舌が装置に当たるため、一時的に発音しづらいことがある
- 違和感が強い:舌側に金属があるため、慣れるまで時間がかかる
- 費用が高い:表側矯正よりも専門性が高く、100〜150万円と高額になりやすい
特に10代の場合は、学校生活での発音の影響を気にする子も多いため、カウンセリング時に事前に確認することが重要です。
治療期間と費用の目安
裏側矯正の治療期間は一般的に2.5〜4年程度とやや長めです。これは装置の調整が複雑で、歯を動かすスピードが表側矯正よりも緩やかになるためです。
費用に関しても、裏側矯正は100〜150万円程度と高額になりやすいのが特徴です。表側矯正やマウスピース矯正と比べると、経済的な負担は大きくなります。そのため、医院ごとの料金体系(分割払い、トータルフィー制など)を確認することが非常に重要です。
治療方法 | 治療期間 | 費用相場 |
---|---|---|
表側矯正 | 2〜3年 | 70〜100万円 |
裏側矯正 | 2.5〜4年 | 100〜150万円 |
マウスピース矯正 | 1.5〜3年 | 80〜120万円 |
裏側矯正は費用も期間もやや長めですが、見た目の自然さを重視する人にとっては大きなメリットがあります。
学校生活や部活動への影響
裏側矯正を始めると「学校生活や部活動に支障が出るのでは?」と不安に思う人も多いでしょう。実際には多くの生徒が通常通り生活を続けていますが、一部には工夫が必要な場面もあります。
10代が裏側矯正を検討する際に気になるのが、学校生活や部活動への影響です。発音への影響は避けられない部分もあり、特に授業や英語スピーチでは一時的に違和感を覚えることがあります。
運動部では、接触のあるスポーツにおいて口腔内を守るためにマウスガードを併用することが推奨されます。慣れてしまえば通常通り活動を続けられるケースがほとんどです。
吹奏楽などの文化部では管楽器の演奏に影響が出ることもありますが、多くの場合は練習を重ねることで適応し、問題なく続けられるようになります。
授業や発音への影響
装置をつけた直後は「サ行」「タ行」などが発音しにくくなることがあります。数週間で慣れる場合が多いですが、発表や英語スピーチを控えている場合は装置装着のタイミングを相談すると良いでしょう。
運動部への影響
接触のあるスポーツでは、口の中を守るためにマウスガードを併用するのが安全です。装置に慣れてしまえば、通常通り競技を続けることができます。
吹奏楽など文化部への影響
管楽器を演奏する生徒は、舌の動きや口の形に影響を感じやすいです。ただし、多くは時間とともに適応し、演奏を続けることが可能です。
裏側矯正が向いている10代の特徴
裏側矯正は、すべての10代に適しているわけではありません。人前に出る機会が多く見た目を重視する人や、SNSや写真を気にする人には特に向いています。
また、裏側矯正は自己管理が必要な治療です。歯磨きが難しいため、丁寧にケアを続けられる習慣がある人や、通院をきちんと守れる人に適しています。
一方で、発音の変化を強く気にする人や、舌の違和感に敏感な人は、マウスピース矯正や表側矯正を検討する方が適しているケースもあります。
以下のような特徴を持つ人に向いています。
- 人前に出る機会が多く、装置を目立たせたくない
- 写真やSNSで笑顔を気にすることが多い
- 自己管理ができ、歯磨きや通院をしっかり続けられる
一方で、強い違和感に弱い人や発音を重視する人は、表側矯正やマウスピース矯正を検討することも選択肢になります。
まとめ
裏側矯正は10代にとって「見えにくい」という心理的な利点が大きく、学校生活や友人関係における負担を軽減してくれる治療方法です。審美性を保ちながら歯並びを改善できる点は大きな魅力といえます。
ただし、発音や違和感、費用面といったデメリットも存在します。裏側矯正を検討する際は、複数の医院で相談し、自分の生活スタイルや性格に合った方法を選ぶことが大切です。
よくある質問(10代の裏側矯正)
Q1. 裏側矯正は本当に見えないのですか?
裏側矯正は歯の裏側(舌側)に装置を装着するため、正面からはほとんど見えません。近距離で大きく口を開けた場合など一部見える可能性はありますが、日常生活や会話の中で目立つことは少ないです。
Q2. 発音に影響はありますか?
装置をつけた直後は「サ行」や「タ行」が発音しづらくなることがあります。数週間〜数か月で舌が慣れて改善するケースがほとんどですが、スピーチや発表が多い学生は装着時期を調整するのがおすすめです。
Q3. 部活動や運動に影響はありますか?
運動部の場合、接触プレーで口内を傷つけるリスクがあります。そのためマウスガードを使用すると安心です。吹奏楽部の管楽器は一時的に演奏がしにくくなる場合がありますが、多くの生徒は慣れて続けられます。
Q4. 費用はどのくらいかかりますか?
裏側矯正の費用は一般的に100〜150万円程度で、表側矯正より高額です。医院によっては分割払いやトータルフィー制を導入している場合があるため、事前に総額を確認することが大切です。
Q5. どのくらいの期間がかかりますか?
平均的な治療期間は2.5〜4年程度です。歯並びの状態や年齢によって異なり、通院頻度や日々のケアによっても変わります。10代は歯の動きが比較的スムーズなため、成人より治療が進みやすい傾向があります。
Q6. 痛みはどのくらいありますか?
装置装着後や調整直後に数日間、歯が浮くような痛みを感じることがあります。ワイヤー矯正特有の痛みですが、多くの場合は数日で和らぎます。痛みが強いときは歯科医院に相談すれば調整が可能です。