「歯を白くしたい」と思ったとき、選択肢は思っているより多くあります。市販の歯磨き粉、歯科でのクリーニング、ホワイトニング、セラミックでの作り替え。それぞれ費用も期間も、そして効く相手が違います。
ここを取り違えると、お金と時間をかけたのに変化を感じられない、ということが起こります。この記事では、まず自分の歯の色が何によるものかを見極め、原因に合った方法にたどり着くための地図を示します。
- まず着色(表面)か、変色(内部)か、人工物かを切り分ける
- 表面の汚れならクリーニング。内部の色ならホワイトニング。人工物なら作り替え
- 原因に合わない方法を選ぶと、費用をかけても変化は出ない
- 市販品でできるのは着色除去まで。もとの歯より白くするには歯科が必要
まず原因を3つに切り分ける
歯が白く見えない理由は、大きく3つに分かれます。
自分がどれに当てはまるかは、鏡だけでは判断が難しいこともあります。特に「着色だと思っていたら内部の変色だった」というケースはよくあります。迷う場合は、歯科でクリーニングを受けてみると切り分けができます。クリーニングで落ちれば表面の着色、落ちなければ内部の色です。
方法別の比較
| 方法 | 効く対象 | 費用の目安 | 期間の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 市販の歯磨き粉 | 表面の着色 | 数百〜2,000円 | 継続的に | もとの歯より白くはならない |
| 歯科のクリーニング | 表面の着色・歯石 | 3,000〜10,000円程度 | 1〜2回 | 保険が使える場合がある |
| ホワイトニング | 内部の色(天然歯) | 1.5〜10万円 | 即日〜数週間 | 自費。人工物は白くならない |
| セラミックなど | 人工物・重度の変色 | 1歯あたり数万円〜 | 数週間 | 歯を削る場合がある。自費 |
費用の詳細はホワイトニングの費用相場、クリーニングの費用、セラミックの費用にそれぞれまとめています。
① 表面の着色が原因のとき
コーヒー、紅茶、緑茶、赤ワイン、カレー、タバコのヤニ。これらが歯の表面に付いたものが着色(ステイン)です。もとの歯の色は変わっていないので、汚れを落とせば本来の白さに戻ります。
自宅なら着色対策成分入りの歯磨き粉、歯科ならクリーニング(PMTC)が該当します。歯石が付いている場合は歯磨きでは取れないため、歯科での除去が必要です。市販品の限界はホワイトニング歯磨き粉の記事で詳しく扱っています。
② 内部の色が原因のとき
加齢とともに、歯の外側のエナメル質は薄くなり、内側にある象牙質の黄色みが透けて見えるようになります。これは汚れではないので、どれだけ磨いても落ちません。ここで初めてホワイトニングの出番になります。
歯科のホワイトニングは、薬剤で歯の内部の色素を分解します。歯を削らずに、もとの歯より明るくできる唯一の方法です。オフィス・ホーム・デュアルの3種類があり、白さの出方と持続が違います。詳しくはホワイトニング完全ガイドと方法別の持続期間の比較をご覧ください。
③ 人工物・重度の変色が原因のとき
差し歯、被せ物、詰め物(レジン)、銀歯は、ホワイトニングの薬剤では色が変わりません。天然歯だけが白くなるため、施術後に人工物の色だけが浮いて見えることがあります。この場合は、天然歯を白くしてから人工物を作り替えるという順序になります。詳細は人工物とホワイトニングの記事へ。
また、幼少期の抗菌薬(テトラサイクリン系)による縞状の変色や、神経を失った歯の変色は、通常のホワイトニングでは十分な結果が出にくいことがあります。ラミネートベニアやセラミックなど別の方法が検討されます。セラミック治療の記事も参考にしてください。
いつまでに白くしたいかで選ぶ
結婚式や就職活動など期限がある場合、方法の選び方が変わります。ホワイトニングは1回で終わるものではなく、目標の白さに届くまでに時間がかかるためです。逆算して動き始める必要があります。
| 期限までの期間 | 現実的な選択肢 |
|---|---|
| 1週間以内 | クリーニングで着色を落とす。ホワイトニングは間に合わないことが多い |
| 2〜4週間 | オフィスホワイトニングを複数回。人工物がある場合は作り替えまでは難しい |
| 1〜2か月 | デュアルホワイトニング。白さと持続のバランスが取りやすい |
| 3か月以上 | ホワイトニング後に人工物の作り替えまで含めて計画できる |
直前になるほど選択肢は狭まります。詳しい時期の考え方は結婚式・就活に向けていつから始めるべきかの記事にまとめています。
白さを保つには
どの方法で白くしても、飲食や喫煙による着色は再び進みます。ホワイトニングの場合は数か月から1〜2年かけて徐々に色が戻るのが一般的で、これは失敗ではなく自然な経過です。
保つコツは、着色しやすい飲食物のあとに水で口をゆすぐこと、着色対策成分入りの歯磨き粉を使うこと、そして定期的にクリーニングを受けることです。具体的な方法は長持ちさせるセルフケアの記事を参考にしてください。
やらないほうがよいこと
- 重曹や塩で強く磨く。研磨力が強く、エナメル質を傷つけるおそれがあります
- メラミンスポンジで歯をこする。歯の表面を削るだけで、着色は付きやすくなります
- レモンや酢で白くしようとする。酸で歯が溶け、かえって黄色く見えるようになります
- 原因を確かめずに高額な施術を決める。効かない方法にお金をかけることになります
まとめ
歯を白くする方法は複数ありますが、大切なのは順番です。まず原因が表面の着色か、内部の色か、人工物かを切り分ける。そのうえで、原因に合う方法を選ぶ。この順序を踏めば、費用をかけて変化を感じられないという事態は避けられます。自己判断が難しいときは、歯科で一度診てもらうのが近道です。エリアから歯科医院を探すをご利用ください。
よくある質問
- Q歯を白くする一番安い方法は何ですか?
- A
着色汚れが原因なら、市販の歯磨き粉や歯科でのクリーニングが安価です。ただし内部の色が原因の場合はこれらでは変わらないため、安さだけで選ぶと結果が出ないことがあります。
- Q自宅で歯を白くすることはできますか?
- A
着色汚れを落とすことはできます。歯科で作るマウスピースを使うホームホワイトニングなら、自宅でもとの歯より白くすることも可能です。ただしマウスピースと薬剤は歯科で処方を受ける必要があります。
- Q重曹で歯を白くするのは効果がありますか?
- A
研磨によって着色は落ちますが、粒子が粗く歯を傷つけるおそれがあります。継続的に使う方法としては勧められません。
- Qクリーニングとホワイトニングはどちらを先にすべきですか?
- A
クリーニングが先です。表面の汚れが残った状態では薬剤が均一に作用しにくいため、多くの医院ではクリーニング後にホワイトニングを行います。
- Qどれくらい白くなりますか?
- A
個人差が大きく、もとの歯の色や方法によって変わります。紙のような白さにはなりません。事前にシェードガイドで現在の色を記録し、目標を共有しておくと納得しやすくなります。
- Q保険は使えますか?
- A
見た目を目的としたホワイトニングは自費です。歯石除去など治療目的のクリーニングには保険が使える場合があります。詳しくは保険適用についての記事をご覧ください。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療方針を示すものではありません。症状や不安がある場合は歯科医院で相談・受診してください。